THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

フェミニズム

『静かなる情熱:エミリ・ディキンスン』

静かなる情熱 エミリ・ディキンスン(字幕版) 発売日: 2018/03/16 メディア: Prime Video タイトルやポスターから受ける印象通りの、淡々としていて地味な映画だ。一見すると信仰に逆らったり世俗を小馬鹿にしていて破天荒ではあるが、実際には生真面目で純…

『タリーと私の秘密の時間』

タリーと私の秘密の時間(字幕版) 発売日: 2019/04/03 メディア: Prime Video 主人公であるマーロ(シャーリーズ・セロン)は、すでに子どもが二人いる状態(小学生の女児と男児が一人ずつ)で、さらにもう一人の子供を妊娠して出産する。もとからいる子供の…

『ミスター・ルーズベルト』

www.netflix.com 主人公のエミリー(ノエル・ウェルズ)はコメディアンになるために地元のテキサスからロサンゼルスに引っ越して、YouTubeに自分のおもしろ動画を投稿してそれなりのインフルエンサーとはなっているもののプロのコメディアンにはなれない状態…

ブラック・ウィドウは「冷蔵庫の女」か?

アベンジャーズ/エンドゲーム(字幕版) 発売日: 2019/09/04 メディア: Prime Video ちょうど1年前の話題になってしまうが、MCU作品を一気に見返しているうちにちょっと考えてみたので書いてみよう。 以下は『アベンジャーズ/エンドゲーム』や『アベンジャ…

『マイ・インターン』

マイ・インターン(字幕版) 発売日: 2016/01/13 メディア: Prime Video 公開当時はわたしはフリーターで、劇場で観て「俺も仕事についてマジメに考えてまっとうに働いて真面目に生きるべきだなあ」みたいな感想を抱いた覚えがある。そもそもこのテのいかにも…

『ミストレス・アメリカ』

ミストレス・アメリカ (字幕版) 発売日: 2016/07/20 メディア: Prime Video ノア・バームバックが監督で、グレタ・ガーウィグが準主役的な役柄を演じており、脚本はバームバックとガーウィグの共同制作な作品だ。この組み合わせては、準主役と主役との違いを…

『ビリーブ 未来への大逆転』

ビリーブ 未来への大逆転(字幕版) 発売日: 2019/08/02 メディア: Prime Video 後にアメリカ初の女性の最高裁判事になったルース・ベイダー・ギンズバーグという人が1970年代に弁護士として行った男女平等裁判を題材にした映画。かなり地味な内容だが、悪くな…

『ボギー!俺も男だ』:1970年代の作品だが、「有害な男らしさ」がテーマ?

ボギー!俺も男だ (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video 1972年の作品。ウディ・アレンが主演でダイアン・キートンがヒロイン、という『アニー・ホール』的な組み合わせ。監督はハーバート・ロスという人だが、wikiを見たところウディ・アレン…

『スキャンダル』:「シスターフッド」ものにしてはバランスが取れた良作

このブログの熱心な読者なら気付かれているかもしれないが、わたしは「シスターフッド」をテーマとした映画が全般的に苦手である。理由は色々とあるが、「シスターフッド」をテーマとしたそれだけで一定層からの評価がある程度は確約されてしまうために映画…

「虐げられた女性同士が連帯して男性社会に復讐する映画」を私が苦手とする理由

お嬢さん(字幕版) 発売日: 2017/08/21 メディア: Prime Video タイトル通り、「虐げられた女性同士が連帯して男性社会に復讐する映画」というものが世の中にはいくつか存在しており、私はそれが苦手だ。その理由は、端的に言ってしまうと、私が男性であり復…

『キャプテン・マーベル』:「フェミニズム映画」と「ヒーロー映画」は両立するのか?

キャプテン・マーベル (字幕版) 発売日: 2019/06/05 メディア: Prime Video 『キャプテン・マーベル』は、一つのアクション映画やエンタメ映画として見てみると、世間的にもさほど評価されていないようである。アクションやエンタメとして明確な欠点があるわ…

『サイド・エフェクト』:後味の良い(!)悪女もの

サイド・エフェクト (字幕版) 発売日: 2014/03/07 メディア: Prime Video 先ほどの記事に続いてソダーバーグ監督の作品を紹介しよう。 私は後味の悪い映画というものが何よりも嫌いで、そのために大半のホラーやブラックコメディ作品が嫌いであるし、また「…