THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

『THE GUILTY/ギルティ』:地味

 

THE GUILTY/ギルティ(字幕版)

THE GUILTY/ギルティ(字幕版)

  • 発売日: 2019/10/16
  • メディア: Prime Video
 

 

 なんか昨年に公開されていたときにやたらと話題になったり「傑作だ」という評判を聞いたきがするから、配信で視聴。しかし、とにかく地味な作品だった。

 デンマーク産のスリラー映画で、緊急通報指令室のオペレーターである主人公が「誘拐された被害者だ」と言う女性の電話を受け取り、その誘拐事件の解決を試みることになる。電話による複数の登場人物との会話はなされるが、画面に顔が映るのは主人公のみ。音声による会話だけで物語が進行していく、という実験的なところが特徴な映画だ。

 しかし、実験的なのはいいのだが、なにしろ画面に変化がなくてつまらない。誘拐事件に対してスリルを感じるべきところではあるし、途中で「おっ」となる箇所もあるのだが、その事件の内容に大して惹き込まれるところがないのだ。終盤で実は事件の状態は主人公が想像していたものと全く異なっていたという「どんでん返し」があるのだが、その「どんでん返し」の内容が本当にありがちなものだ。

 あと、これは言っても仕方がないのだが、デンマーク語なので聞き取れないのにも困った。英語なら聞き取れるのだけれど…。音声による会話が重要な内容だから、字幕を読みながら見るのも勿体ないのだ。けっきょく日本語吹き替えで見てしまったが、ちょっと違和感があった。

 

 しかし画面の変化がほとんどなくて画面に映る俳優も主人公一人ということは、おそらくかなり安上がりで金がかかっていない映画のはずである。わたしは貧乏性なので、たとえば1900円払ってロクでもない設備のミニシアターでこういう作品を見るとお金の勿体なさによりかなり辛い気持ちになってしまう。まあ配信で見ることにして正解だっただろう。