THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

『フェイク』&『カリートの道』

 

フェイク (字幕版)

フェイク (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

カリートの道 (字幕版)

カリートの道 (字幕版)

  • 発売日: 2014/01/01
  • メディア: Prime Video
 

 

『フェイク』はNetflixで、『カリートの道』はAmazon primeで視聴。どっちも10年以上前にDVDで見たのを再視聴した。どっちもアル・パチーノが主役(準主役)として裏社会の人間を演じている作品だ。

 また、どちらも90年代の作品である。最近気付いたのだが、私はどうも80年代〜90年代の映画が苦手だ。70年代以前の作品にあるような質感やシンプルさや情熱も感じられなければ、00年代以降の作品のような洗練やテクニックやニッチさもなくて、どうにも中途半端で安っぽく感じられるのである。

 

 今回見直していても、『フェイク』にはいまいち入り込めなかった。お人好しなところのあるマフィアのアル・パチーノが準主役で潜入捜査官のジョニー・デップが主役であるのだが、そのジョニー・デップにいまいちカリスマ性が感じられないのもダメかもしれない。それでも、ラストの「お前だから許せる」のシーンにはしんみりさせられる。

 

カリートの道』も「この内容で2時間半近くもやるなよ」とは思わされたが、有能だが仁義にあつい(そして、仁義のせいで苦労することになる)主人公のキャラクター性が魅力的だし、ヒゲやフサフサとした黒髪を携えてそれを演じるアル・パチーノが何しろ魅力的だ。また、クライマックスにおける長回しで撮影されたグランド・セントラル駅の銃撃戦のシーンはかなりすごい出来で、つい引き込まれる。小物かと思いきや悪い意味でとんでもないことをしでかしてしまう、主人公の友人の弁護士のキャラクターも小憎たらしくて印象深い。ブライアン・デ・パルマといえば『アンタッチャブル』が代表作かもしれないが、『カリートの道』もなかなかの名作なのだ。