THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

『家族ゲーム』

 

家族ゲーム

家族ゲーム

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 タイトル通り一家の家族(夫婦+高校生と中学生の兄弟)がメインの登場人物となっている中で、部外者として家族に分け入り波紋を呼んでいく家庭教師を演じる松田優作の存在感はさすがだ。また、家族みんなが食卓を取り囲むのではなく横一列に並んで食事をするシーンは奇妙で印象的だし、終盤に松田優作が食卓で大暴れするシーンも痛快だ。俯瞰の構図で映される学校の風景も独特だし、家族内の中学生はもちろんのこと彼が通う学校の同級生や先生などのキャラクターにも嫌な感じのリアリティがある。高圧的な父親(伊丹十三)が「目玉焼きをチューチューする」姿も実に気色が悪い。

 ただし、全体的にブラックジョーク感やシュールさが「これみよがし」という感じで、いまいち素直に楽しめない。描かれているテーマ自体は凡庸なものであるようにも思えるし。