THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

『グラディエーター』

 

グラディエーター (字幕版)

グラディエーター (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 リドリー・スコット監督作品。平民出身で兵士から慕われている名将軍である主人公マキシマス(ラッセル・クロウ)が時の皇帝アレリウス(リチャード・ハリス)から時代の皇帝となるようにお願いされるが、自分が皇帝になることを望んでいたアレリウスの息子コモドゥスホアキン・フェニックス)が父を殺害してしまし、マキシマスも殺そうとする。マキシマスは抵抗してなんとか殺されずに済むがローマを逃れて遠く異国まで行ったところを捉えられて奴隷扱いされてしまい、見世物として戦う剣闘士になってしまう。が、ここで彼は戦闘の才覚を発揮して出世して、花形剣闘士としてローマにも戻っていく。妻子を殺した宿敵コモドゥスと再会したマキシマスは、コモドゥスの姉でありかっての恋人でもあるルッシラ(コニー・ニールセン)と密会しつつ復讐の計画を練るのだが…。

 重厚でしっかりとしたストーリーではあるが、史劇に特有な退屈さや予定調和感が付きまとう作品だ。当時としては豪華であろうアクションシーンや風景シーンなども、現代になるとさして感銘を受けるようなものではない(使われているCGや視覚効果もいまから見ると発展途上な時代の産物な感じが否めない)。キャラクター描写や演出もしっかりしているしラッセル・クロウホアキン・フェニックスなどの名優を作用しているだけあって感じるところがなくはないのだが、まあ全体的に「遠い異国の昔々のお話」という他人事感が付きまとう。キャラクターのなかに現代の観客でも共感できるような人間味を匂わす工夫がされていないせいであると言えるだろう。