THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

『バスターの壊れた心』

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 ホテルマンの主人公(レミ・マレック)が夜勤とカフェインの過剰摂取によって心を壊してしまい狂人になる話。狂人の回想形式で語られる物語であり、時間軸も行ったり来たりするうえに途中から現実と妄想の境目が曖昧になる。とはいえ背景に特に衝撃の真実があるというわけでもない。

 レミ・マレックに存在感があることや、主人公が働いているホテルの経営者がいい人であったこと(主人公がホテルで働いている犯罪がバレたかと思ったらただ彼の体調を心配していただけであった、というシーンはテンプレながら面白かった)、主人公が潜伏していた別荘に訪れた別荘の持ち主夫妻を縛って監禁しておきながらクリスマスのご馳走を食べさせたり枕などをしっかり用意するシーン(このシーンがやたらと長い)などは良かった。ストーリーがそもそもないに等しいので、作業しながらの流し見がちょうどいいタイプの映画であるのだろう。