THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

ひとこと感想:『キングコング対ゴジラ』

 

キングコング対ゴジラ

キングコング対ゴジラ

  • 発売日: 2014/04/23
  • メディア: Prime Video
 

 

 

『ゴジラ』の方は古臭く知っているシーンばっかりであったが真面目に作られた作品だったので最後まで見ることができたし、まあ名作なんだなと言うこともなんとなくわかった(役者の志村喬に助けられたところがかなり大きいだ)。しかしこの作品はひどくて、あまりに退屈なシーン(南国の現地人とのやり取りか)は飛ばさざるを得なかったし、肝心のゴジラキングコングが登場するシーンにも緊張感が全くない。特撮やカメラワークには時代的な限界があるとしても音楽くらいは工夫できていただろうと思うし、怪獣バトルを観戦する野次馬な登場人物たちのセリフにも脱力させられるばかりである。会話シーンは間延びしていて、登場人物にリアリティはなく、ギャグは野暮ったくて、そして差別的な描写が盛りだくさんだ。全体に漂う「不真面目さ」もひどいものである。冷静に考えるとゴジラ映画って昭和も平成もつまらないものばっかりだったな、と思い出させてくれる効果だけはあった(冗談とか逆張りとか抜きで、日本の大半のゴジラ映画よりもギャレス・エドワーズ版やローランド・エメリッヒ版のゴジラの方がずっと面白い。『シン・ゴジラ』はレベルは高いと思うが夜郎自大なオタク臭さが嫌いだし、『ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ』はシンゴジとは別種のオタク臭さがキツいうえに作品のレベルも高くないというひどい作品だった)。