『ショート・ターム』
家庭や心に問題を抱えた少年少女のための短期保護施設が舞台で、主人公(ブリー・ラーソン)は施設の所員として少年少女の世話や監督をしている。
よくいえば写実的、悪くいえば地味な画面が多く、話の展開も重苦しい。主人公と同僚のボーイフレンドや施設にいる子供たちとの関係を描きながら、子供たちが元の家庭で受けていた虐待やそれによるトラウマの問題などがクローズアップされる。言い方は悪いが児童虐待の問題なんて特にアメリカ映画ではよく扱われる題材なので新鮮味はないのだが、丁寧には描かれている。また、一通りのエピソードが終わった後の、施設の職員たちが集まった雑談から始まる最後のシーンは爽やかで感動的だ。主演のブリー・ラーソンのキャスティングも素晴らしい。タフそうでキツい性格をしてそうな彼女はいかにも「施設の職員」という感じがするからだ。