THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

女優

『ジョンQ-最後の決断-』+『イン・ハー・シューズ』

●『ジョンQ-最後の決断-』 ジョンQ ―最後の決断―(字幕版) デンゼル・ワシントン Amazon 上映当時から作品の存在は知っていたが、あらすじの内容からしていかにも重苦しそうだと決め込んで、20年間ずっと観ていなかった作品だ。そしていざ観てみると、まあ確…

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

実は同性愛者であるベネディクト・カンバーバッチが底意地の悪い「家父長」を演じながら弟の嫁(ジェシー・プレモンズ)の嫁のキルティン・ダンストをねちねちといじめて、ナヨナヨしている嫁の連れ子のコディ・スミット=マクフィーのこともいびろうとした…

『SPY』+『メリーに首ったけ』

●『SPY』 SPY/スパイ (字幕版) ローズ・バーン Amazon ジェームズ・ボンド的なイメンスパイであるジュード・ロウの補佐役をやっていた主人公のメリッサ・マッカーシーが、復讐のためにスパイ活動に志願したところ意外な才覚が判明して、そんでヌケてるコメデ…

『サイン』&『フライトプラン』

●『サイン』 サイン (吹替版) 磯部 勉 Amazon 公開年は2002年でわたしは中学一年生だったけれど、やたらと評判が悪かったような記憶がある。……と思って調べたら、「2002年で最も高い収益を上げた映画の一つ」であるそうだ。まあ『シックス・センス』は大ヒッ…

『エターナルズ』:多様性と人間中心主義

マーベル映画の「ポリコレ性」についてはこのブログでも何度か論じてきたが、基本的に、『ブラックパンサー』や『シャン・チー』のように「主流派の文化やアイデンティティとは異なる文化やアイデンティティが秘めている魅力やパワー」を強調した、ポジティ…

『ザ・ベビーシッター』&『ザ・ベビーシッター ~キラークイーン』

www.netflix.com www.netflix.com 『ザ・ベビーシッター』のほうは、たしか2017年くらいに「エッチなシーンあるかなあ」と思って序盤に早送りしたけれどエッチなシーンはなさそうだったから見るのやめた。今回はハロウィンということで、『~キラークイーン…

『モーリタニアン:黒塗りの記憶』

上映規模は小さいし、主役はベネディクト・カンバーバッチでもジュディ・フォスターでもなくてよく知らんアラブ系の俳優だし、カンバーバッチのでてくる政治サスペンスってこのあいだ『クーリエ:最高機密の運び屋』で観たばっかりだし、そもそも「いまさら…

『最後の決闘裁判』:価値観を"揺さぶる"のではなく、価値観を"確認する"作品

まず書いておくと、この映画を観たのは公開の翌週の日曜日だ。そして、たった一週間とはいえ、(完成度の高い名作であり、人が言及したがる内容のために)Twitterで様々な感想が目に入ってしまい、明確なネタバレはなかったけれど「どういう作品であるか」と…

『007/ゴールドフィンガー』+『スノー・ロワイヤル』+『ベストセラー:編集者パーキンズに捧ぐ』+『ミッドナイト・スペシャル』

●『007/ゴールドフィンガー』 ゴールドフィンガー (字幕版) ショーン・コネリー Amazon オッドジョブと金箔を塗られた女の死体が代表しているように、007の旧作のなかでもとくにケレン味が強くて、馬鹿馬鹿しくて、ミソジニーもひどい作品(ボンドがボン…

『告白小説、その結末』+『ライ麦畑の反逆児:ひとりぼっちのサリンジャー』

●『告白小説、その結末』 告白小説、その結末(字幕版) エマニュエル・セニエ Amazon ロマン・ポランスキー監督だけど英語ではなくフランス語の映画。英語・日本語の吹き替えもなかったから話に入り込むのは難しく、途中からスマホポチポチしながらの流し見で…

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』:ボンドが「有害な男らしさ」から脱却しちゃった

一年半も公開が引き延ばされたクレイグボンドの最終作を、満を持して鑑賞。事前にPrimeVideoで007シリーズが前作配信されたことでクレイグボンドの過去作品を観返すことができて、ヒロインのバックグラウンドとか「ミスター・ホワイト」というキャラクターが…

『カリスマ』+『ボーン・コレクター』+『マンディ/地獄のロード・ウォリアー』+『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』+『シャーロック・ホームズ』

つまらなかった映画シリーズ。 ●『カリスマ』 カリスマ 役所広司 Amazon もともとシュールさがウリの黒沢清作品ではあるが、『カリスマ』ではホラー要素を薄めてコメディ要素が薄められているためにシュールさが増し過ぎており、そのくせ絵面は地味なので、…

『容疑者Xの献身』&『舟を編む』

●『容疑者Xの献身』 容疑者Xの献身 福山雅治 Amazon ずっと前にネットで情報を見たか友人からネタバレされたかでメインのトリックは知っていたんだけれど、そこを前もって知っていても特に面白さに支障がないタイプの映画で、そこはよかった。 要するに、北…

『ベン・イズ・バック』&『マネー・モンスター』

●『ベン・イズ・バック』 ベン・イズ・バック(字幕版) ジュリア・ロバーツ Amazon わたしの本名と主人公の男の子の名前が同じなために、劇場での公開当時から気になっていた。また、「ジュリア・ロバーツってCDプレイヤーみたいな口しているよな」という(た…

『007/スペクター』

007 スペクター (字幕版) ダニエル・クレイグ Amazon theeigadiary.hatenablog.com 上の記事を書いたときには『スカイフォール』のことをそんなに評価していなかったけれど、『スペクター』を観る前に視返したところ、やっぱり面白かった。「これやるならMCU…

『初恋』+『回路』+『プラットフォーム』

●『初恋』 初恋 窪田正孝 Amazon 公開当初は評判が実によく、カンヌでもなんか評価されていたらしいからけっこう期待して観たのだけれど、ぜんぜんダメだった。昔のタランティーノ的な内容であるけれどあちらを100点としたら30点という感じ。画面の暗さ…

『マスカレード・ホテル』+『検察側の罪人』

●『マスカレード・ホテル』 マスカレード・ホテル 木村拓哉 Amazon 予告がいかにもつまらなさそうなのでまったく観る気はなかったんだけれど、ネットフリックスに表示されたキムタクのドアップの顔に惹かれるものがあり、いざ観てみたら存外におもしろかった…

『クーリエ:最高機密の運び屋』

ついつい『ブリッジ・オブ・スパイ』を連想してしまう設定だが、予想以上に内容は『ブリッジ・オブ・スパイ』に近い。設定だけでなく、自由主義食とソ連の人間との「男の友情」やブロマンス、「信念」といったテーマが似ているのだ。 この作品の最大の感動ポ…

『レミニセンス』

『インセプション』を連想させるような予告が話題であるが、過去にとらわれるかどうかというエンディングはたしかに『インセプション』を想起させる。そして、『インセプション』の最大の感動はレオナルド・ディカプリオ演じる主人公が夢(=亡き妻との過去…

『シンデレラ』+『ワインは期待と現実の味』+『ボーダー 二つの世界』+『ラスト・アクション・ヒーロー』+『セルラー』+『女王陛下の007』

●『シンデレラ』 シンデレラ カミラ・カベロ Amazon ノリの良さとお気軽さに振り切った、バカバカしいけど楽しい感じのミュージカル作品。ファンタジー世界でありながらジャネット・ジャクソンやクイーンやマドンナなどのロックミュージックが堂々と流れるし…

『ワウンズ: 呪われたメッセージ』+『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』+『ホテル・ムンバイ』+『リズム・セクション』+『ペイ・フォワード 可能の王国』

●『ワウンズ: 呪われたメッセージ』 www.netflix.com 『レベッカ』に続いてアーミ・ハマー主演のホラー、なおかつ『ザ・コール』に続いて「電話」がキーとなる、Netflixオリジナルのホラー映画。 主人公が拾ったスマホに収められている、生首と学生たちのさ…

『ペンギンが教えてくれたこと』+『ザ・ゴールドフィンチ』

●『ペンギンが教えてくれたこと』 www.netflix.com 実話に基づいた映画。タイ旅行に行ったサム・ブルーム(ナオミ・ワッツ)は不慮の事故で下半身不随となってしまい、車椅子での生活を余儀なくされるようになった。夫のキャメロン(アンドリュー・リンカー…

『ゾンビランド』&『ゾンビランド:ダブルタップ』

ゾンビランド (吹替版) ウディ・ハレルソン Amazon ゾンビランド:ダブルタップ (字幕版) ウディ・ハレルソン Amazon 『ゾンビランド』は公開の翌年にDVDを借りて観たから10年ぶり(当時から興味があって劇場で見たかったのだけれど、京都の映画館ではやって…

『善き人に悪魔は訪れる』+『ザ・ハント』+『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク 』

●『善き人に悪魔は訪れる』 善き人に悪魔は訪れる [DVD] イドリス・エルバ Amazon あらすじだけを読むと「なんだかありがちだしほんとうに面白くなるの?」という不安感を抱かされるが、格好いい放題やイドリス・エルバという存在感のある主演俳優に惹かれて…

韓国映画は英語吹き替えで観ることにした(『ザ・コール』)

www.netflix.com 在日アメリカ人であり子供の頃から「家のなかでは英語、外では日本語」という風に暮らしてきたわたしは、逆説的に、語学に関してハンディキャップを持っている。ふつうの日本人であれば中学校から大学まで苦労しながらイヤイヤ英語を勉強さ…

『007』シリーズ:『ロシアより愛をこめて』+『カジノ・ロワイヤル』+『慰めの報酬』+『スカイフォール』

ロシアより愛をこめて (字幕版) ショーン・コネリー Amazon カジノ・ロワイヤル (字幕版) ダニエル・クレイグ Amazon 007 / 慰めの報酬 (字幕版) ダニエル・クレイグ Amazon 007 / スカイフォール (吹替版) ダニエル・クレイグ Amazon わたしは『007』シ…

『闇はささやく』

www.netflix.com いかにもつまらなそうな作品だったけれど、わたしの大好きなアマンダ・セイフリッドが出演しているので視聴。予想通りにつまらなかったし、後半は意味不明な領域に入っていたけれど、アマンダ・セイフリッドが主婦らしい素朴な格好をしてい…

『マインドハンター』

1960年代末〜1970年代初頭を舞台にして、猟奇殺人者や連続殺人鬼たちの「プロファイリング」を行うFBI行動科学班の黎明期や創設当初を描くドラマ。半年以上前にシーズン1の途中まで観て中断していたのだが、再開するとシーズン2の最終話までのめり込んで観…

『モンタナの目撃者』&『ウインド・リバー』

ウインド・リバー(字幕版) ジェレミー・レナー Amazon 現代風西部劇(モダン・ウエスタン)を十八番とするテイラー・シェリダンであるが、わたしは彼が監督したり脚本したりした作品を観るたびに、同じく現代風西部劇を映画ではなく小説で展開している作家の…

『KATE/ケイト』

www.netflix.com 某ポリコレ系ツイッタラーが公開もされていないうちから「日本人差別的な作品だ」と決めつけて文句つけていたので、「それならば褒められるところ探しちゃろ」と逆張り的な気持ちが湧きあがって楽しみになり、公開当日にさっそく観ちゃった。…