THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

『ハッピー・デス・デイ・2U』

 

ハッピー・デス・デイ 2U (吹替版)

ハッピー・デス・デイ 2U (吹替版)

  • 発売日: 2019/11/15
  • メディア: Prime Video
 

 

『ハッピー・デス・デイ』の続編。タイムループものであった前作にパラレルワールドの要素を足して、ホラーやサスペンスの要素をだいぶ薄れさせた代わりにSFやコメディや恋愛要素を増させた感じの作風となっている。

 観客がみんな前作を観ていることを前提としたうえで、タイムループの現象の説明をかなり大胆に端折ったり、前作のセルフパロディのような場面もあったりすれば並行世界という設定にすることで悪人だった登場人物が善人になったりするなど、なかなか楽しい工夫がなされている。ホラー要素やサスペンス要素はほんとうにおまけ程度に薄められているし、SF部分の要素も適当でご都合主義的なので本気になって考えるようなものではないが、ごった混ぜのエンタメ作品としてはかなり優れた仕上がりになっていると言えるだろう。前作ではタイムループに巻き込まれた主人公(ジェシカ・ローテ)が相談できる相手は一人だけだったが、今回は相談できる相手が増えてチームで動けるようになったために、前作ではできなかった様々な展開できるようになったというところもポイントだ。また、主人公が数式を記憶するために何度も自殺するシーンは、ノリノリで様々な方法を試しながら死んでいくというインパクトのあって映える画面となっている。前作ではあまり出番のなかった性悪な女友達(レイチェル・マシューズ )が並行世界になることで人格も変わって意外な役割が与えられているところもなかなか心憎い。

 けっして大した作品ではないが、なにか軽い映画を適当に見たいというときにはちょうどいいシリーズである。