THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

四つ星

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』:ボンドが「有害な男らしさ」から脱却しちゃった

一年半も公開が引き延ばされたクレイグボンドの最終作を、満を持して鑑賞。事前にPrimeVideoで007シリーズが前作配信されたことでクレイグボンドの過去作品を観返すことができて、ヒロインのバックグラウンドとか「ミスター・ホワイト」というキャラクターが…

『キャッシュトラック』

ガイ・リッチーの映画らしからぬハードなBGMや硬派なアクション、重苦しいドラマや雄々しいキャラクターが特徴的な作品だ。 主演のジェイソン・ステイサムはあまり好きな俳優でないのだけれど(そういう役ばっかり演じるから仕方がないとはいえ、どの映画の…

『容疑者Xの献身』&『舟を編む』

●『容疑者Xの献身』 容疑者Xの献身 福山雅治 Amazon ずっと前にネットで情報を見たか友人からネタバレされたかでメインのトリックは知っていたんだけれど、そこを前もって知っていても特に面白さに支障がないタイプの映画で、そこはよかった。 要するに、北…

『007/スペクター』

007 スペクター (字幕版) ダニエル・クレイグ Amazon theeigadiary.hatenablog.com 上の記事を書いたときには『スカイフォール』のことをそんなに評価していなかったけれど、『スペクター』を観る前に視返したところ、やっぱり面白かった。「これやるならMCU…

『クーリエ:最高機密の運び屋』

ついつい『ブリッジ・オブ・スパイ』を連想してしまう設定だが、予想以上に内容は『ブリッジ・オブ・スパイ』に近い。設定だけでなく、自由主義食とソ連の人間との「男の友情」やブロマンス、「信念」といったテーマが似ているのだ。 この作品の最大の感動ポ…

『ワウンズ: 呪われたメッセージ』+『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』+『ホテル・ムンバイ』+『リズム・セクション』+『ペイ・フォワード 可能の王国』

●『ワウンズ: 呪われたメッセージ』 www.netflix.com 『レベッカ』に続いてアーミ・ハマー主演のホラー、なおかつ『ザ・コール』に続いて「電話」がキーとなる、Netflixオリジナルのホラー映画。 主人公が拾ったスマホに収められている、生首と学生たちのさ…

韓国映画は英語吹き替えで観ることにした(『ザ・コール』)

www.netflix.com 在日アメリカ人であり子供の頃から「家のなかでは英語、外では日本語」という風に暮らしてきたわたしは、逆説的に、語学に関してハンディキャップを持っている。ふつうの日本人であれば中学校から大学まで苦労しながらイヤイヤ英語を勉強さ…

『モンタナの目撃者』&『ウインド・リバー』

ウインド・リバー(字幕版) ジェレミー・レナー Amazon 現代風西部劇(モダン・ウエスタン)を十八番とするテイラー・シェリダンであるが、わたしは彼が監督したり脚本したりした作品を観るたびに、同じく現代風西部劇を映画ではなく小説で展開している作家の…

『シャン・チー/テン・リングスの伝説』:主人公がどんな人間なのかさっぱりわからなかった

※このブログのほかのすべての記事と同じく、ネタバレあり。 MCUでは初のアジア系のヒーローということが取り沙汰されている作品であり、日本語圏のTwitterなどでも、いつにもまして"浮かれた"感想が目立っている。 その一方で、昔ながらの映画好きのなかには…

『ザ・コンサルタント』+『ザ・ウェイ・バック』+『ジャスティス・リーグ: ザック・スナイダーカット』

●『ザ・コンサルタント』 ザ・コンサルタント(字幕版) ベン・アフレック Amazon 2016年の公開当時はイロモノなアクション映画だと思ってあまり期待せずに劇場に観に行ったのだが、観てみたらめっぽうに面白く、年間ベスト級。『イコライザー』や『ジョン…

『レベッカ』&『ベケット』&『シカゴ7裁判』

●『レベッカ』 www.netflix.com ヒッチコック作品のリメイク。昨年に予告を観た時から期待していたし、前半はリリー・ジェームスとアーミー・ハマーの演じるラブロマンスが実に美しくてワクワクしたが、サスペンスがメインとなる後半になってからは尻すぼみ…

『ジェントルメン』&『コードネームU.N.C.L.E』

ジェントルメン [Blu-ray] マシュー・マコノヒー (声:子安武人) Amazon 『ジェントルメン』は公開当時に渋谷の映画館で鑑賞(たしか5月だったかな)。予告編などからはもっと殺伐した内容をそうぞうしていたのだが、意外と人死にの少ない、ゆるくてユーモラ…

『グリーンブック』と『ベスト・オブ・エネミーズ~価値ある闘い〜』

ベスト・オブ・エネミーズ ~価値ある闘い~ (字幕版) ウェス・ベントリー Amazon ちょっと映画離れしていたころにたまたまNetflixで『ベスト・オブ・エネミーズ』を観てみたところ、これがなかなか面白く、映画に対するモチベーションを取り戻させてくれた。…

『ラビング 愛という名前のふたり』

ラビング 愛という名前のふたり(字幕版) ジョエル・エドガートン Amazon 異人種間結婚が禁止されていた時代のアメリカで結婚をした白人の夫リチャード(ジョエル・エドガートン)と黒人の妻ミルドレッド(ルース・ネッガ)が経験した苦難や行った裁判が題材…

『孤狼の血:LEVEL2』

前作のほうがシンプルで王道なので好みであるが、今作も悪くない。松坂桃李が演じる主人公は、前半こそパッとしないものの、後半で弟的な存在が殺されてからの「覚醒」はなかなかのものだ。人のいい顔をした相棒刑事が実は……という展開や、ロクでもなさそう…

『OLD』

『イン・ザ・ハイツ』と『孤狼の血:LEVEL2」を観にいく"ついで"という気持ちで観に行ったのだが、意外や意外、この作品がいちばん面白かった。 わたしはシャマラン監督についてはきわめてニュートラルな立場であり、ファンでもアンチでもない。最近だと『ス…

『フリー・ガイ』(と『ザ・スーサイド・スクワッド』)

同日公開した『ザ・スーサイド・スクワッド』のついでの前座という扱いで、軽い気持ちで観にいったのだが、予想を遥かに超えてぶっちぎりで今年のベスト*1。ここ数年のエンタメ映画としてもベスト級である。ぶっちゃけたところ俳優陣は主演のライアル・レイ…

『ドライブ・マイ・カー』(+『マディソン郡の橋』)

中盤までは展開がそれなりに予測できず、それなりにオリジナリティのある絵面が多く、新鮮味があって楽しい。手話を含む多言語が飛び交う「台本」読みのシーンや、韓国人夫婦の家にお呼ばれして食事をするシーンなどは他の映画ではほとんど見ることのないよ…

『ブラック・ウィドウ』

theeigadiary.hatenablog.com ・わたしはアベンジャーズの面々のなかではブラック・ウィドウがいちばん好きだし、トップクラスに重要なキャラだと思っているので、彼女の単独映画が公開されたのは喜ばしい限り。 ・女性ヒーローが主人公ということで否応なく…

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』

『これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版』+『シン・エヴァンゲリオン劇場版冒頭12分37秒00コマ』 緒方恵美 Amazon ・当初は観る気はなかったのだけれど、先週末は久しぶりに映画をいっぱい観ることになり、そしてちょうどフィナーレ上映のタイミングであった…

『ワンダーウーマン1984』

劇場に映画を観に行ったのは黒沢清監督の『スパイの妻』以来で、およそ二ヶ月ぶり*1。 わたしはマーベル映画のなかでは『キャプテン・マーベル』がいちばん嫌いなのだが*2、逆に、この映画の前作の『ワンダーウーマン』はDC映画のなかでもいちばん好きな作品…

『クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』

クレヨンしんちゃんの映画を劇場で見るのは2016年の『クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』に続いて2回目。他には、『オトナ帝国の野望』や『戦国大合戦』はもちろんのこと、『夕陽のカスカベボーイズ』や『栄光のヤキニクロード』や『逆襲の…

『TENET テネット』:設定や構成が難しいのは置いておいて、人間ドラマやテーマが描けていない

コロナ禍による大作映画の公開延期と『TENET テネット』公開前の盛り上げということが重なって、2020年は7月からノーランの過去作品のIMAX上映が続いた。 もともと自分のなかの生涯ベスト級作品であった『ダークナイト』はIMAXで観てみるとこれまでとは…

『アメリカン・スナイパー』

アメリカン・スナイパー(字幕版) 発売日: 2015/06/10 メディア: Prime Video このあいだ『ミリオンダラー・ベイビー』を再視聴したら以前観たときよりもずっと面白く感じられたのだが、同じイーストウッド監督の『アメリカン・スナイパー』については、公開…

『ザ・ファイブ・ブラッズ』

www.netflix.com 原題は『ダ・5・ブラッズ』(これくらい原題通りのタイトルにしてしまえばいいと思う)。スパイク・リー監督による、ベトナムに従軍した黒人兵士たちの物語。マルコムXやキング牧師を思い浮かばせるカリスマ的な隊長ノーマン(チャドウィッ…

『シンドラーのリスト』

シンドラーのリスト(字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video 名作であることは間違い無いのだが、『戦場のピアニスト』と同じく、長過ぎる。印象的なエピソードは多々あるのだが、逆に印象的でないというかホロコーストものや戦争ものとしては"よ…

『レボリューショナリー・ロード:燃え尽きるまで』

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video サム・メンデス監督の作品は『007』シリーズ二作や『1917』*1は観ているが、それ以前の作品を見るのは、実はこれが初めてだ。 話の内容としては、不満や焦…

『戦場のピアニスト』

戦場のピアニスト(字幕版) メディア: Prime Video ロマン・ポランスキー監督作品。例によって学生時代以来の10年以上ぶりの再視聴。 名作であることは間違いないのだが、内容的にメリハリの付けづらいストーリーが2時間半近く続くので、後半になると疲れてし…

『ファイト・クラブ』

Fight Club (字幕版) メディア: Prime Video ジョセフ・ヒースの『反逆の神話』を読んでいるうちに観たくなったので、10年ぶりくらいに再視聴。 ヒースが指摘しているようにいまでは陳腐化したカウンターカルチャーの価値観が多少作品に反映されているので、…

『バットマンvsスーパーマン:ジャスティスの誕生』:「はあ?」だらけだったけどいま見ると意外と悪くない

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(字幕版) 発売日: 2016/07/12 メディア: Prime Video ダークナイト三部作を再視聴してティム・バートン版『バットマン』も再視聴したついでに、こちらも再視聴した。ベン・アフレックの顔が無性に見たくなった…