THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

ひとこと感想:『クロエ』、『ミスエデュケーション』

・『クロエ』

 

 

クロエ (字幕版)

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  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 夫(リーアム・ニーソン)と倦怠期のおばさん(ジュリア・ムーア)が夫の浮気を疑って、街で知り合った若い娼婦のクロエ(アマンダ・サイフリッド)に「夫を誘惑してみてその反応を知りたい」と金を払って頼む。おばさんは途中で後悔し始めて手切れ金を渡して「依頼は終わり、もう夫には近づかないで」と頼もうとするが、クロエの方がおばさんに深入りしていき、後には引けなくなって泥沼にはまり…というお話。

 よくあるタイプの浮気サスペンスだし、途中からレズ描写が入るところはいかにも創意工夫や才能がなさそうな人間の発想でげんなりしてしまった。「官能」的な作品を作りたがる人って「レズ描写入れとけば官能的になるだろ」と思っているフシがあると思う。あと関係ないけどTwitterとかでオタクが男も女もやたらと「百合」だとか騒いでレズ描写ばかり求めるのも白痴的でアホみたいだ。

 しかし、この映画はクロエ…というかアマンダ・サイフリッドがとにかく可愛くて、それだけでも充分な価値がある。以前の映画評では劣化版スカーレット・ヨハンソン扱いをしてしまったが、撤回しよう。セクシーでありながらもブロンド美女としては珍しい「かわいらしさ」や「あざとさ」も兼ね備えており、さらに繊細さや神経質っぽさが加わっている。この映画でも、どちらかといえば「悪女」的なキャラクターを演じているはずなのに、あどけなくて無邪気な笑顔とか心配そうに眉をひそめて見上げている様子とかの、女の子らしさとかか弱さの方が印象深いのだ。繰り返すが、特にブロンド美女ではこの種の「弱さ」や「女の子っぽさ」が目立つ女優は稀有である(わたしが以前に付き合っていた彼女と顔や表情の系統が似ているところもポイントだ)。

 

・『ミスエデュケーション』

 

 

ミスエデュケーション [DVD]

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  • 発売日: 2019/02/02
  • メディア: DVD
 

 

 

 クロエ・グレース・モレッツをはじめとする同性愛者の高校生たち がキリスト教の価値観に基づいた治療施設に放り込まれて、そこで同性愛を否定して異性愛者になるように洗脳や脅迫をされるが、がんばって団結して抗うお話。

 しかし、クロエ・グレース・モレッツって『キック・アス』でヒット・ガールを演じていた時は輝いていたが、それ以来ずっとパッとしていないと思う。

 問題の抱えた繊細な若者たちが集まる施設を舞台としたお話で、コメディシーンが一切なく重苦しくて作品自体も「繊細さ」を押し出している感じには、『ショート・ターム』を思い出した。あとXメンでミュータントの若者たちが集まっている”恵まれし子らの学園”も思い出してしまった(あちらでは自分の秘密が否定されるどころか肯定されるための場所なので、この映画の舞台となっている施設とは真逆なのだが、なんとなく)。

 しかしまあBGMも含めていかにも「繊細な若者たち」のお話という感じが全面に漂っており、俺はもうおっさんに近付いているから繊細な若者たちがどうなろうと知ったこっちゃねえな、という気持ちを常に抱きながら観る羽目になった。主人公たちはみんな理不尽でかわいそうな目にあっているので気の毒だとは思ったが、映画の登場人物たちって多かれ少なかれ理不尽でかわいそうな目にあうものだし。