THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

概論

価値づけとしての批評と、その楽しさ(読書メモ:『批評について:芸術批評の哲学』)

批評について: 芸術批評の哲学 作者:キャロル,ノエル 発売日: 2017/12/01 メディア: 単行本 『批評について:芸術批評の哲学』は2年ほど前に図書館で借りて読んではいたが、今年になってからこうして映画ブログをはじめて「批評」活動をはじめたということも…

ポリコレは物語の質を上げて多様性を確保する…のか?

theeigadiary.hatenablog.com theeigadiary.hatenablog.com 以前にも似たようなことを書いているが、改めて。今回は特に長い。 ●まえおき ネットでは「創作物とポリコレ」とか「表現規制とポリコレ」という話題は定期的に盛り上がる。それも、数ヶ月に一度ど…

物語における「現代の価値観で過去を裁く」ことについて

「死んでしまえばそれまで」と言えばそれまでだが…今のお偉いさん達って「自分が後世の漫画家や映画作家に、ずっと悪役として描かれる」ことの恐怖ってないのかしら。百五十年前に「黒人や女に投票権を与える?本気かよ?」と言った米国の政治家達。みんな写…

「アベンジャーズ」関係作品(MCU映画):ランキングと総評

アベンジャーズ (吹替版) 発売日: 2013/12/19 メディア: Prime Video まず、MCU映画の私的なランキングは以下の通りになる。ランキングの基準は「個人的な好み」「客観的なクオリティやレベルの高さ」に加えて「単独作品としての完成度の高さ」である。いく…

Netflix(US)的価値観が良いことなのか?

ポジティブ病の国、アメリカ 作者:バーバラ・エーレンライク 発売日: 2010/04/10 メディア: ハードカバー このブログをはじめてから「あの映画はポリコレ要素のせいでマイナスになった」「この映画はフェミニズムの主張が強すぎてつまらない」ということばっ…

外在批評の映画ファン/内在批評の漫画ファン

グリーンブック(字幕版) 発売日: 2019/10/02 メディア: Prime Video 今年のアカデミー賞作品賞は『パラサイト 半地下の家族』が受賞したが、元々の『パラサイト』の世評が高かったのとアカデミー賞で初のアジア映画(外国語映画)の受賞ということで世間では…

アカデミー作品賞ノミネート作品全作の感想を書いていくぞ!

eiga.com めずらしいことに、今年のアカデミー作品賞ノミネート作品9作のうち日本で公開している7作は全て劇場やNetflixで視聴済みだ。せっかくなので各作品の感想や「アカデミー賞を取ってほしさ」などをサクッと書いてみよう。 『フォードvsフェラーリ』…

「虐げられた女性同士が連帯して男性社会に復讐する映画」を私が苦手とする理由

お嬢さん(字幕版) 発売日: 2017/08/21 メディア: Prime Video タイトル通り、「虐げられた女性同士が連帯して男性社会に復讐する映画」というものが世の中にはいくつか存在しており、私はそれが苦手だ。その理由は、端的に言ってしまうと、私が男性であり復…

料理や映画について批評を"するべき"理由

Frasier The Entire Collection Seasons 1 - 11 [Import anglais] メディア: DVD 高校生の頃に実家で家族と『そりゃないぜ!?フレイジャー』を観ていたとき、とある何気ないシーンの印象が妙に強く、いまでも記憶に残っている。……とはいえ、私が『そりゃない…

「格差社会映画」の白々しさ

ずっと昔のイラク戦争のころ、爆笑問題の太田光がなにかのエッセイで、ベトナム戦争のあとにあれだけ反戦映画を製作したのに懲りずにまた戦争を起こして、そしてイラク戦争のあとにまたまた反戦映画が作られる、という状況について批判していた。該当のエッ…

"映画批評"についての覚え書き

批評について: 芸術批評の哲学 作者:ノエル キャロル 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2017/12/01 メディア: 単行本 映画を楽しんだり評価したりする際に何を重視するか、というのは映画ファンの間でも人によって異なるところだ。例えば、撮影の仕方や画…