THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

時事ネタ

『ザ・ファイブ・ブラッズ』

www.netflix.com 原題は『ダ・5・ブラッズ』(これくらい原題通りのタイトルにしてしまえばいいと思う)。スパイク・リー監督による、ベトナムに従軍した黒人兵士たちの物語。マルコムXやキング牧師を思い浮かばせるカリスマ的な隊長ノーマン(チャドウィッ…

「普通の人でいいのに!」:"繊細さ"と被害者意識と文学性

comic-days.com 数週間前に、話題になった作品だ。批判意見や拒否反応も多い一方で、「共感できた」とか「実際に東京にいそうな人物をリアルに描けている」という肯定意見もちらほらと見かける。 わたしが最初に流し読みしたときには、あまりに赤裸々な内容…

『ジョーカー』:主演もいいし画面もいいが、ストーリーや展開には難あり、テーマは描けていない

ジョーカー(字幕版) 発売日: 2019/12/06 メディア: Prime Video 去年に劇場で見たばっかりだが、もうNetflixでの配信が開始されたので、改めて鑑賞。 公開当時にはかなり話題になり、評価も上々だったためにわりと期待して見にいったのだが、いざ見てみると…

ポリコレは物語の質を上げて多様性を確保する…のか?

theeigadiary.hatenablog.com theeigadiary.hatenablog.com 以前にも似たようなことを書いているが、改めて。今回は特に長い。 ●まえおき ネットでは「創作物とポリコレ」とか「表現規制とポリコレ」という話題は定期的に盛り上がる。それも、数ヶ月に一度ど…

ひとこと感想:『アス』、『犬神家の一族』、『ベイビー・ドライバー』、『モンスター上司』

●『アス』 アス (字幕版) 発売日: 2020/02/07 メディア: Prime Video 『ゲット・アウト』がつまらなかったのでこちらは劇場公開時はスルーして、思ったよりも早くprime videoで配信されたからそれで見てみたが、案の定つまらない。本国でも多数の人が思って…

ひとこと感想:『アリー/スター誕生』『シントイア・ブラウン: 裁きと赦し』『成果』

●『アリー/スター誕生』 アリー/ スター誕生(字幕版) 発売日: 2019/04/03 メディア: Prime Video なんかやたらと古臭いストーリー展開だなと思ったら大昔の映画のリメイク作品であると知って、さもありなんと思った。 アリー(レディー・ガガ)の歌を聞いた…

わたしが「続きものドラマ」が嫌いな理由

#5 インサイドストーリー(字幕版) メディア: Prime Video このブログでは以前に『となりのサインフェルド』や『そりゃないぜ!?フレイジャー』を紹介したことがあるし、他にも『フレンズ』などのシットコムは好きである*1。また、10代の頃には『刑事コロ…

HBOドラマ版『ウォッチメン』

ウォッチメン 無修正版 ブルーレイ コンプリート・ボックス (1~9話・3枚組) [Blu-ray] 発売日: 2020/06/03 メディア: Blu-ray そもそもわたしは「続きものドラマ」全般が苦手なのであるが、それについは後日の記事でたっぷりと文句を書く予定だ。 わたしは『…

ブラック・ウィドウは「冷蔵庫の女」か?

アベンジャーズ/エンドゲーム(字幕版) 発売日: 2019/09/04 メディア: Prime Video ちょうど1年前の話題になってしまうが、MCU作品を一気に見返しているうちにちょっと考えてみたので書いてみよう。 以下は『アベンジャーズ/エンドゲーム』や『アベンジャ…

Twitterにおける映画感想がダメなものになりがちな理由

theeigadiary.hatenablog.com 昨日はノア・バームバック監督の『イカとクジラ』を観た。映画自体は大したものではなかったしむしろ不愉快なくらいの作品であったが、上記の記事で書いたように、この映画に関する「みんなのシネマレビュー」の批評を眺めてい…

Netflix(US)的価値観が良いことなのか?

ポジティブ病の国、アメリカ 作者:バーバラ・エーレンライク 発売日: 2010/04/10 メディア: ハードカバー このブログをはじめてから「あの映画はポリコレ要素のせいでマイナスになった」「この映画はフェミニズムの主張が強すぎてつまらない」ということばっ…

『レ・ミゼラブル』(2019):『レ・ミゼラブル』は関係ありません

ヨーロッパ映画には全体的に苦手意識を持っているのだが、このあいだNetflixで観た『ザ・スクエア 思いやりの聖域』はそれなりに面白かった。いまは失業中だが、仕事を再開するとおそらく難解で深刻なヨーロッパ映画を見る気力は失われてしまって、エンタメ…

外在批評の映画ファン/内在批評の漫画ファン

グリーンブック(字幕版) 発売日: 2019/10/02 メディア: Prime Video 今年のアカデミー賞作品賞は『パラサイト 半地下の家族』が受賞したが、元々の『パラサイト』の世評が高かったのとアカデミー賞で初のアジア映画(外国語映画)の受賞ということで世間では…

アカデミー作品賞ノミネート作品全作の感想を書いていくぞ!

eiga.com めずらしいことに、今年のアカデミー作品賞ノミネート作品9作のうち日本で公開している7作は全て劇場やNetflixで視聴済みだ。せっかくなので各作品の感想や「アカデミー賞を取ってほしさ」などをサクッと書いてみよう。 『フォードvsフェラーリ』…