THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

フェミニズム

『ワンダーウーマン1984』

劇場に映画を観に行ったのは黒沢清監督の『スパイの妻』以来で、およそ二ヶ月ぶり*1。 わたしはマーベル映画のなかでは『キャプテン・マーベル』がいちばん嫌いなのだが*2、逆に、この映画の前作の『ワンダーウーマン』はDC映画のなかでもいちばん好きな作品…

ひとこと感想:『最高の人生の見つけ方』、『アイ・アム・マザー』、『ニンジャバットマン』

●『最高の人生の見つけ方』 最高の人生の見つけ方 (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video かなり有名な映画ではあるのだが、わたしはこれまで未見で、今回はじめて視聴した。 評価の高い映画であると思ってけっこう楽しみにしてとっておいたし…

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video スピルバーグは一部の例外はあれど好きであるし、トム・ハンクスもレオナルド・ディカプリオも好きであるのだが、この作品はどうにも好きになれない。 好きになれな…

ひとこと感想:『メアリーの総て』&『ケーブル・ガイ』

●『メアリーの総て』 メアリーの総て(字幕版) 発売日: 2019/05/21 メディア: Prime Video わたしが学部生時代には英米文学を専攻していたことは『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』の感想で書いたが、アメリカ文学のゼミに入っていたとは…

『ファイト・クラブ』

Fight Club (字幕版) メディア: Prime Video ジョセフ・ヒースの『反逆の神話』を読んでいるうちに観たくなったので、10年ぶりくらいに再視聴。 ヒースが指摘しているようにいまでは陳腐化したカウンターカルチャーの価値観が多少作品に反映されているので、…

『ブックスマート:卒業前夜のパーティーデビュー』:「誰も傷つけない笑い」が排除するもの

カリフォルニアのハイスクールに通うモリー(ビーニー・フェルドスタイン)とエイミー(ケイトリン・ディーヴァー)は、良い大学に進学するために遊びには目もくれずに勉強に明け暮れていた。その甲斐もあってモリーはイェール大学への進学が決定していたし…

『透明人間』

ポール・バーホーベン監督でケビン・ベーコン主演の『インビジブル』は、子供のころに金曜ロードショーかなにかでテレビ上映していたのをたまたま親と一緒に観たのだが、あまりにエログロが多くて非常に気まずくなったという嫌な思い出しかない。 大人気漫画…

『はちどり』

1994年を舞台に、韓国の首都ソウルに住む14歳の女の子、ウニ(パク・ジフ)がロクでもない家族に苦しめられたり友人関係や恋愛で色々とつらい目にあったりしながら憧れの先生なんかと出会っちゃったりしていいことも多少はある、というそんな感じの映画。キ…

ホラー映画と、セックスに対する懲罰(『イット・フォローズ』)

イット・フォローズ(字幕版) 発売日: 2016/06/22 メディア: Prime Video コロナ騒ぎが起こる前の今年の初頭に『ミッドサマー』がTwitterでアホみたいな騒がれ方をしたことは記憶にあたらしいが、あの作品は単にフックとなる要素が多くてTwitterで映画作品を…

ひとこと感想:『29歳からの恋とセックス』&『五瓣の椿』&『チェイシング・エイミー』

●『29歳からの恋とセックス』 29歳からの恋とセックス (吹替版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video グレタ・ガーウィグが主演ということで観たが、タイトル通り、29歳になっても人生の方向性が決まらず、高校の頃から付き合っていて婚約までいった唯…

『ドラゴン・タトゥーの女』

ドラゴン・タトゥーの女 (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video デビッド・フィンチャー監督作品。男性主人公のミカエルをダニエル・クレイグが、女性主人公のリスベットをルーニー・マーラーが演じる。とはいえ、ミカエルは真面目な正義感で好…

ひとこと感想:『ラヴレース』、『影の車』、『ダイヤルMを廻せ! 』

●『ラヴレース』 ラヴレース(字幕版) 発売日: 2014/11/02 メディア: Prime Video お気に入りの女優であるアマンダ・サイフリッドが主演しているので視聴した。1970年代のポルノ業界を題材にした映画ということで見る前から『ブギーナイツ』を連想したし…

ひとこと感想:『ディア・グランパ:幸せを拾った日』、『雨に願いを』、『アドバンテージ:母がくれたもの』

毎年、梅雨の時期になると体調が悪くなって頭痛や倦怠感に苛まれる。今年は飲酒量をかなり抑えているので例年よりかはマシなのだが、それでも、朝に起きた時点で曇り空でジメジメしている日は気分も晴れずに頭もまわらない。 毎日朝と晩に映画を見ることを習…

ひとこと感想:『アリー/スター誕生』『シントイア・ブラウン: 裁きと赦し』『成果』

●『アリー/スター誕生』 アリー/ スター誕生(字幕版) 発売日: 2019/04/03 メディア: Prime Video なんかやたらと古臭いストーリー展開だなと思ったら大昔の映画のリメイク作品であると知って、さもありなんと思った。 アリー(レディー・ガガ)の歌を聞いた…

『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』

若草物語 (福音館文庫 古典童話) 作者:L.M. オールコット 発売日: 2004/06/15 メディア: 単行本 『若草物語』はわたしにとってもちょっと思い出深い作品である。なぜかというと、アメリカ文学専攻であった大学生時代、三年生のときのゼミで前期まるまるをか…

『20センチュリー・ウーマン』

20 センチュリー・ウーマン(字幕版) 発売日: 2017/11/22 メディア: Prime Video 1970年代のカリフォルニア州サンタバーバラを舞台に、シングルマザーのドロシー・フィールズ(アネット・ベニング)とその息子のジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)、…

『ダンプリン』

www.netflix.com テキサスにある小さな田舎町、ブルーボネットに住むウィローディーン・ディクソン(ダニエル・マクドナルド)は丸々と肉付きのよい女子高生で、友人からは「ウィル」と呼ばれていて、母親のロジー(ジェニファー・アニストン)から付けられ…

『ロストガールズ』

www.netflix.com 実際にあった、ロングアイランドの連続殺人鬼事件を題材にした作品だ。未解決事件を題材にしているので犯人は明示されず、被害者遺族たちの視点から描かれている。余談だが、このロングアイランドの連続殺人鬼事件についてはメディア系の前…

『塔の上のラプンツェル』

塔の上のラプンツェル (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video マーベル映画を一気に観返そうと思ってディズニー・デラックスの無料期間を試したわけだが、せっかくだからマーベル以外の作品も見ようとピクサーの作品やスターウォーズ系の作品な…

『静かなる情熱:エミリ・ディキンスン』

静かなる情熱 エミリ・ディキンスン(字幕版) 発売日: 2018/03/16 メディア: Prime Video タイトルやポスターから受ける印象通りの、淡々としていて地味な映画だ。一見すると信仰に逆らったり世俗を小馬鹿にしていて破天荒ではあるが、実際には生真面目で純…

『タリーと私の秘密の時間』

タリーと私の秘密の時間(字幕版) 発売日: 2019/04/03 メディア: Prime Video 主人公であるマーロ(シャーリーズ・セロン)は、すでに子どもが二人いる状態(小学生の女児と男児が一人ずつ)で、さらにもう一人の子供を妊娠して出産する。もとからいる子供の…

『ミスター・ルーズベルト』

www.netflix.com 主人公のエミリー(ノエル・ウェルズ)はコメディアンになるために地元のテキサスからロサンゼルスに引っ越して、YouTubeに自分のおもしろ動画を投稿してそれなりのインフルエンサーとはなっているもののプロのコメディアンにはなれない状態…

ブラック・ウィドウは「冷蔵庫の女」か?

アベンジャーズ/エンドゲーム(字幕版) 発売日: 2019/09/04 メディア: Prime Video ちょうど1年前の話題になってしまうが、MCU作品を一気に見返しているうちにちょっと考えてみたので書いてみよう。 以下は『アベンジャーズ/エンドゲーム』や『アベンジャ…

『マイ・インターン』

マイ・インターン(字幕版) 発売日: 2016/01/13 メディア: Prime Video 公開当時はわたしはフリーターで、劇場で観て「俺も仕事についてマジメに考えてまっとうに働いて真面目に生きるべきだなあ」みたいな感想を抱いた覚えがある。そもそもこのテのいかにも…

『ミストレス・アメリカ』

ミストレス・アメリカ (字幕版) 発売日: 2016/07/20 メディア: Prime Video ノア・バームバックが監督で、グレタ・ガーウィグが準主役的な役柄を演じており、脚本はバームバックとガーウィグの共同制作な作品だ。この組み合わせては、準主役と主役との違いを…

『ビリーブ 未来への大逆転』

ビリーブ 未来への大逆転(字幕版) 発売日: 2019/08/02 メディア: Prime Video 後にアメリカ初の女性の最高裁判事になったルース・ベイダー・ギンズバーグという人が1970年代に弁護士として行った男女平等裁判を題材にした映画。かなり地味な内容だが、悪くな…

『ボギー!俺も男だ』:1970年代の作品だが、「有害な男らしさ」がテーマ?

ボギー!俺も男だ (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video 1972年の作品。ウディ・アレンが主演でダイアン・キートンがヒロイン、という『アニー・ホール』的な組み合わせ。監督はハーバート・ロスという人だが、wikiを見たところウディ・アレン…

『スキャンダル』:「シスターフッド」ものにしてはバランスが取れた良作

このブログの熱心な読者なら気付かれているかもしれないが、わたしは「シスターフッド」をテーマとした映画が全般的に苦手である。理由は色々とあるが、「シスターフッド」をテーマとしたそれだけで一定層からの評価がある程度は確約されてしまうために映画…

「虐げられた女性同士が連帯して男性社会に復讐する映画」を私が苦手とする理由

お嬢さん(字幕版) 発売日: 2017/08/21 メディア: Prime Video タイトル通り、「虐げられた女性同士が連帯して男性社会に復讐する映画」というものが世の中にはいくつか存在しており、私はそれが苦手だ。その理由は、端的に言ってしまうと、私が男性であり復…

『キャプテン・マーベル』:「フェミニズム映画」と「ヒーロー映画」は両立するのか?

キャプテン・マーベル (字幕版) 発売日: 2019/06/05 メディア: Prime Video 『キャプテン・マーベル』は、一つのアクション映画やエンタメ映画として見てみると、世間的にもさほど評価されていないようである。アクションやエンタメとして明確な欠点があるわ…