THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

五つ星

『切腹』

切腹 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video 脚本も演出もものすごい。食い詰め浪人が武家屋敷の前で「切腹するぞ」と騒ぐことで当座の金をもらうという"ゆすり"が横行している、という設定がまずあったうえで主人公があらわれて、さらに主人公の少し前…

『椿三十郎』

椿三十郎 発売日: 2015/04/22 メディア: Prime Video 『用心棒』の続編的な作品ではあるが、主人公が味方といえる味方がメシ屋の親父しかおらず敵方をほとんど皆殺しにして終わるドライでダークな『用心棒』と比べて、青二才である九人の若侍の指導役的な立…

『用心棒』

用心棒 発売日: 2015/04/22 メディア: Prime Video 黒澤明の作品といえば以前は『生きる』がいちばん好きだったのだが、昨年に『用心棒』を再視聴してからは『用心棒』に軍杯をあげている。続編にあたる『椿三十郎』もかなり好きだ。どちらもシンプルながら…

『ハドソン川の奇跡』

ハドソン川の奇跡(字幕版) 発売日: 2016/12/22 メディア: Prime Video 実際に起きたUSエアウェイズ1549便不時着水事故を題材にしており、見事に不時着を成功させた機長が主人公(トム・ハンクス)。しかし、事故そのものではなく、事故の調査委員会が事後に…

『パッセンジャー』:倫理的にヤバいのに主人公に同情してしまう怪作(ネタバレあり)

パッセンジャー (字幕版) 発売日: 2017/06/28 メディア: Prime Video 5000人もの乗客を乗せて、宇宙船が地球から移住先の星まで航海する。航海にかかる時間は120年だが、乗客たちは到着数ヶ月前に目がさめる設定でコールドスリープされている。しかし、出発…

『ガタカ』

ガタカ (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video 『ガタカ』といえばSFだし、生命倫理の重要なテーマを扱った映画である*1。しかし、久しぶりに再視聴してみると、SF的な部分や生命倫理的な部分よりもヒューマンドラマや登場人物の描写の方が肝で…

『50/50』

50/50 フィフティ・フィフティ(字幕版) 発売日: 2015/11/15 メディア: Prime Video Amazon primeで再視聴。公開当時には、今はなき新京極シネラリーベという映画館で当時に付き合ってた彼女と一緒に見に行った思い出がある。意外と下ネタが多くて、観終わっ…

『ジャッカルの日』

ジャッカルの日 [DVD] 発売日: 2012/04/13 メディア: DVD TSUTA TVの見放題にあったので再視聴。 1960年代のフランスを舞台に、シャルル・ド・ゴール大統領の暗殺を企む暗殺者「ジャッカル」が主人公の映画だ。2時間半近くある大作だが、フランスの右翼組織…

『七人の侍』

七人の侍 [Blu-ray] 出版社/メーカー: 東宝 発売日: 2009/10/23 メディア: Blu-ray TOHO新宿にて、「午前十時の映画祭」で鑑賞。なんたって無職だから平日から午前十時の映画祭に行けちゃったりもするのだ。ところで、「午前十時の映画祭」は10周年である今…

『大脱走』

大脱走(2枚組) [DVD] 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 発売日: 2017/08/02 メディア: DVD TOHO新宿にて、「午前十時の映画祭」で鑑賞。平日の朝に早起きして、四ツ谷から歌舞伎町の劇場までゆったりと歩いていって…

『1917 命をかけた伝令』:戦場の地獄めぐりゲーム

1917 アーティスト:Original Soundtrack 出版社/メーカー: Sony Classical 発売日: 2019/12/20 メディア: CD 無職なので平日でもお構いなしに映画を観に行ける。昨日の午後、新宿はTOHOのIMAXにて『1917 命をかけた伝令』を観にいった(毎月14日はTOHOが安く…

『フォードvsフェラーリ』:豪華な俳優陣による古き良きな大作映画

フォードvsフェラーリ (オリジナル・サウンドトラック) 発売日: 2019/11/15 メディア: MP3 ダウンロード 2020年になって公開された映画のなかでは現時点で個人的に最も感動したのは『ジョジョ・ラビット』であるが、客観的な「面白さ」や「出来栄えの良さ」…

『ジョジョ・ラビット』:「上手さ」の際立つ感動的な作品

ジョジョ・ラビット (オリジナル・サウンドトラック) 発売日: 2019/10/18 メディア: MP3 ダウンロード 私はそもそも「少年」が主人公の洋画が好きだ。と言っても『IT』や『スタンド・バイ・ミー』のような少年グループの青春ものは全然好きじゃないのだが、…

『マリッジ・ストーリー』:スカーレット・ヨハンソンがすごかった

スカーレット・ヨハンソンといえば唇と胸と身体だけの女優というイメージが強かったが、『マリッジ・ストーリー』では演技がすごかったので見直した(これは私だけの偏見に基づいた感想ではなく、少なくとも2名以上の知人が「スカーレット・ヨハンソンとい…

『フランシス・ハ』:27歳の青春もの

フランシス・ハ メディア: Prime Video 『マリッジ・ストーリー』が良かったので、同じノア・バームバックの監督作品の『フランシス・ハ』もPrimeビデオで観てみたのだが、こっちの方がさらに良かった。私はいちど観た映画を観返すのは映画の詳細を忘れた数…