THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

少年もの

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

実は同性愛者であるベネディクト・カンバーバッチが底意地の悪い「家父長」を演じながら弟の嫁(ジェシー・プレモンズ)の嫁のキルティン・ダンストをねちねちといじめて、ナヨナヨしている嫁の連れ子のコディ・スミット=マクフィーのこともいびろうとした…

『ザ・ベビーシッター』&『ザ・ベビーシッター ~キラークイーン』

www.netflix.com www.netflix.com 『ザ・ベビーシッター』のほうは、たしか2017年くらいに「エッチなシーンあるかなあ」と思って序盤に早送りしたけれどエッチなシーンはなさそうだったから見るのやめた。今回はハロウィンということで、『~キラークイーン…

『コブラ会』の男らしさ

theeigadiary.hatenablog.com 『コブラ会』、実に面白いのでシーズン3まであっという間に見てしまった。 シーズン2からは、登場人物たちのしょうもない三角関係や、会話や情報伝達が不足によるくだらない誤解による大騒動と悲劇、映画だったらすぐに解決し…

『007/ゴールドフィンガー』+『スノー・ロワイヤル』+『ベストセラー:編集者パーキンズに捧ぐ』+『ミッドナイト・スペシャル』

●『007/ゴールドフィンガー』 ゴールドフィンガー (字幕版) ショーン・コネリー Amazon オッドジョブと金箔を塗られた女の死体が代表しているように、007の旧作のなかでもとくにケレン味が強くて、馬鹿馬鹿しくて、ミソジニーもひどい作品(ボンドがボン…

『ミスティック・リバー』

ミスティック・リバー (字幕版) ショーン・ペン Amazon 最初に観たときはたしか20歳だったので12年ぶりの再視聴だが、イーストウッドの作品群のなかでも『チェンジリング』や『グラン・トリノ』並みに出来がよくて記憶に残る内容の作品であり、特にクライマ…

『パディントン』+『パディントン2』

パディントン(字幕版) ベン・ウィショー(声の出演) Amazon パディントン2(吹替版) ベン・ウィショー Amazon 映画好きのあいだでは非常に評判がいいシリーズであり(とくに「2」の評価が高いようだ)、わたしも以前から気になっていたのだが、なぜか「1…

『初恋』+『回路』+『プラットフォーム』

●『初恋』 初恋 窪田正孝 Amazon 公開当初は評判が実によく、カンヌでもなんか評価されていたらしいからけっこう期待して観たのだけれど、ぜんぜんダメだった。昔のタランティーノ的な内容であるけれどあちらを100点としたら30点という感じ。画面の暗さ…

『シンデレラ』+『ワインは期待と現実の味』+『ボーダー 二つの世界』+『ラスト・アクション・ヒーロー』+『セルラー』+『女王陛下の007』

●『シンデレラ』 シンデレラ カミラ・カベロ Amazon ノリの良さとお気軽さに振り切った、バカバカしいけど楽しい感じのミュージカル作品。ファンタジー世界でありながらジャネット・ジャクソンやクイーンやマドンナなどのロックミュージックが堂々と流れるし…

『ワウンズ: 呪われたメッセージ』+『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』+『ホテル・ムンバイ』+『リズム・セクション』+『ペイ・フォワード 可能の王国』

●『ワウンズ: 呪われたメッセージ』 www.netflix.com 『レベッカ』に続いてアーミ・ハマー主演のホラー、なおかつ『ザ・コール』に続いて「電話」がキーとなる、Netflixオリジナルのホラー映画。 主人公が拾ったスマホに収められている、生首と学生たちのさ…

『ペンギンが教えてくれたこと』+『ザ・ゴールドフィンチ』

●『ペンギンが教えてくれたこと』 www.netflix.com 実話に基づいた映画。タイ旅行に行ったサム・ブルーム(ナオミ・ワッツ)は不慮の事故で下半身不随となってしまい、車椅子での生活を余儀なくされるようになった。夫のキャメロン(アンドリュー・リンカー…

『コブラ会』(シーズン1)

『シャン・チー/テン・リングスの伝説』を観た日の夜にカンフーものが続けてみたくなったので、軽い気持ちを『コブラ会』をシーズン1の1話から観はじめた(正確にはカンフーではなく空手ものだったけれど)。すると、これがめっぽうに面白い。前編である…

『クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』(+いくつかのクレしん映画+いくつかのディズニー映画+『閃光のハサウェイ』)

昨年の『激突!ラクガキキングダムとほぼ四人の勇者』もそれなりによかったが、こちらのほうがずっとよい*1。脚本的な欠点が見当たらず、制作陣の狙い通りにやりたいことがやれている。ちょっとテクニカルさが鼻につくし、あまりに技巧的なので逆にシラける…

『ジェイコブを守るため』

MacのPCが壊れたので買い替えたら、なんか一年間無料でApple TVが利用できることになった。とはいえめぼしい作品はあまりなかったのだけれど、そんななかで『ジェイコブを守るため』は評判がいいし、主演であるクリス・エヴァンスは好きな俳優であるので、な…

『OLD』

『イン・ザ・ハイツ』と『孤狼の血:LEVEL2」を観にいく"ついで"という気持ちで観に行ったのだが、意外や意外、この作品がいちばん面白かった。 わたしはシャマラン監督についてはきわめてニュートラルな立場であり、ファンでもアンチでもない。最近だと『ス…

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』

『これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版』+『シン・エヴァンゲリオン劇場版冒頭12分37秒00コマ』 緒方恵美 Amazon ・当初は観る気はなかったのだけれど、先週末は久しぶりに映画をいっぱい観ることになり、そしてちょうどフィナーレ上映のタイミングであった…

『クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』

クレヨンしんちゃんの映画を劇場で見るのは2016年の『クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』に続いて2回目。他には、『オトナ帝国の野望』や『戦国大合戦』はもちろんのこと、『夕陽のカスカベボーイズ』や『栄光のヤキニクロード』や『逆襲の…

『シャイニング』&『ドクター・スリープ』

『シャイニング』は五つ星、『ドクター・スリープ』は二つ星。 ●『シャイニング』 シャイニング (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video いまでは大半のホラー映画はそんなに怖くなく見れるし夜におシャワーしたりおトイレに行くときにもホラー…

ひとこと感想:『チャイルド・プレイ』&『ビューティフル・デイ』

●『チャイルド・プレイ』 チャイルド・プレイ(字幕版) 発売日: 2019/11/20 メディア: Prime Video メインシリーズの方は高校生の頃にB級映画好きの友人に『チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁』を観させられた思い出があるが、下品でグロいだけの映画だっ…

『プロメア』:寒々しさが付きまとう“熱血”アニメ映画

プロメア 発売日: 2020/05/24 メディア: Prime Video 突然変異して身体から炎を発火して操れるようになった新人類「バーニッシュ」の登場により人口の半分が亡くなる事件が起こってから30年後、バーニッシュへの対策が行われて文明がやや発展した世界におけ…

『AKIRA』

AKIRA 4Kリマスターセット (4K ULTRA HD Blu-ray & Blu-ray Disc) (特装限定版) 発売日: 2020/04/24 メディア: Blu-ray 池袋グランドシネマサンシャインのIMAXで鑑賞。グランドシネマサンシャインのIMAXは東京でいちばん大きいらしいが観にいく機会がなかっ…

『泥の河』

泥の河 発売日: 2018/03/01 メディア: Prime Video Netflixで配信されていたので視聴。 宮本輝が描いた1950年代の物語を、1980年代に映画化した作品。戦後の貧しい風景が忠実に再現されている。 子どもが主役の物語ではあるが、主人公の父親を演じる田村高廣…

ひとこと感想:『アス』、『犬神家の一族』、『ベイビー・ドライバー』、『モンスター上司』

●『アス』 アス (字幕版) 発売日: 2020/02/07 メディア: Prime Video 『ゲット・アウト』がつまらなかったのでこちらは劇場公開時はスルーして、思ったよりも早くprime videoで配信されたからそれで見てみたが、案の定つまらない。本国でも多数の人が思って…

『20センチュリー・ウーマン』

20 センチュリー・ウーマン(字幕版) 発売日: 2017/11/22 メディア: Prime Video 1970年代のカリフォルニア州サンタバーバラを舞台に、シングルマザーのドロシー・フィールズ(アネット・ベニング)とその息子のジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)、…

『先に愛した人』

www.netflix.com 主人公の少年の父親(スパーク・チェン)が死亡したが、その保険金は妻(シェ・インシュエン)ではなく男性の愛人(ロイ・チウ)だった。少年は母親と父親の愛人との間で振り回されるがやがて二人がそれぞれに抱える重たい事情が明らかにな…

『ヴィンセントが教えてくれたこと』

ヴィンセントが教えてくれたこと(字幕版) 発売日: 2016/06/15 メディア: Prime Video 競馬狂いの飲んだくれの借金漬けで悪態をついてばっかりの偏屈な老人、ヴィンセント・マッケンナ(ビル・マーレイ)の隣宅に、夫と離婚したばかりのマギー(メリッサ・マ…

『おとなの事情、こどもの事情』

www.netflix.com ニューヨークのブルックリンに住んでいた、料理批評家であり著作もあるアフリカ系の夫(ネルサン・エリス)とフェミニズム理論に基づいた作品を制作する芸術学者(メラニー・リンスキー)といういかにもインテリな夫妻が、キャリアの事情で…

ひとこと感想:『ジョン・ムレイニーとサックランチキッズ』

www.netflix.com Netflixオリジナル作品であり、映画というよりかは単発のテレビ番組に近い。コメディアンのジョン・ムレイニーを主演に据えて、多数の子役を配しながら、アメリカのよくある子ども向け番組のパロディをやるという感じだ。唐突に始まるミュー…

ひとこと感想:『ベイマックス』、『ドクター・ストレンジ』、『ザ・ブック・オブ・ヘンリー』、『ザ・ヒーロー』

酒を飲みながら見てしまったり、途中で集中力が切れたりして他の作業をして画面から目を話すことが多かった映画たちに対して星を付けて評価するのはさすがに忍びないので、そういう見方をしてしまったときは今後こうやってメモ的な感想だけを残すことにする…

『リメンバー・ミー』

リメンバー・ミー (字幕版) 発売日: 2018/05/29 メディア: Prime Video 2017年(日本公開されたのは2018年)とわりと最近に公開された、メキシコ文化をフィーチャーしたピクサー作品。テーマやメッセージ性を強調した作風であるため、観ている間はてっきりデ…

『ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから』

www.netflix.com 5歳の頃に父親とともに中国からアメリカに移民してきたエリー・チュウ(リーア・ルイス)は高校生の頃には中国人らしい秀女となっており、駅舎で働いたり同級生たちの授業の課題レポートを代筆するアルバイトをしたりして日銭を稼ぐことで家…