THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

文学

『ペンギンが教えてくれたこと』+『ザ・ゴールドフィンチ』

●『ペンギンが教えてくれたこと』 www.netflix.com 実話に基づいた映画。タイ旅行に行ったサム・ブルーム(ナオミ・ワッツ)は不慮の事故で下半身不随となってしまい、車椅子での生活を余儀なくされるようになった。夫のキャメロン(アンドリュー・リンカー…

『闇はささやく』

www.netflix.com いかにもつまらなそうな作品だったけれど、わたしの大好きなアマンダ・セイフリッドが出演しているので視聴。予想通りにつまらなかったし、後半は意味不明な領域に入っていたけれど、アマンダ・セイフリッドが主婦らしい素朴な格好をしてい…

『モンタナの目撃者』&『ウインド・リバー』

ウインド・リバー(字幕版) ジェレミー・レナー Amazon 現代風西部劇(モダン・ウエスタン)を十八番とするテイラー・シェリダンであるが、わたしは彼が監督したり脚本したりした作品を観るたびに、同じく現代風西部劇を映画ではなく小説で展開している作家の…

『シャイニング』&『ドクター・スリープ』

『シャイニング』は五つ星、『ドクター・スリープ』は二つ星。 ●『シャイニング』 シャイニング (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video いまでは大半のホラー映画はそんなに怖くなく見れるし夜におシャワーしたりおトイレに行くときにもホラー…

ひとこと感想:『メアリーの総て』&『ケーブル・ガイ』

●『メアリーの総て』 メアリーの総て(字幕版) 発売日: 2019/05/21 メディア: Prime Video わたしが学部生時代には英米文学を専攻していたことは『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』の感想で書いたが、アメリカ文学のゼミに入っていたとは…

「普通の人でいいのに!」:"繊細さ"と被害者意識と文学性

comic-days.com 数週間前に、話題になった作品だ。批判意見や拒否反応も多い一方で、「共感できた」とか「実際に東京にいそうな人物をリアルに描けている」という肯定意見もちらほらと見かける。 わたしが最初に流し読みしたときには、あまりに赤裸々な内容…

『一人称単数』:「こういうの書いたらお前ら喜ぶんでしょ」というやる気のなさが強い、創造力を枯らした老人の短編集

一人称単数 (文春e-book) 作者:村上 春樹 発売日: 2020/07/18 メディア: Kindle版 村上春樹の最新刊。Amazonほしいものリストからいただいたので、ありがたく読んだ。 わたしは高校生時代から村上春樹のファンで、このブログやnoteなどでも何度か村上春樹に…

『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』

若草物語 (福音館文庫 古典童話) 作者:L.M. オールコット 発売日: 2004/06/15 メディア: 単行本 『若草物語』はわたしにとってもちょっと思い出深い作品である。なぜかというと、アメリカ文学専攻であった大学生時代、三年生のときのゼミで前期まるまるをか…

『連ちゃんパパ』

凪待ち 発売日: 2020/02/20 メディア: Prime Video Twitterで話題になっていて、無料で読めるということもあり、ついつい最後まで一気読みしてしまった。 togetter.com 上記のTogetterの題名をはじめとして、Twitterでは「連ちゃんパパを読んだうえで、主人…

村上春樹の「ファミリー・アフェア」

パン屋再襲撃 (文春文庫) 作者:村上春樹 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/10/07 メディア: Kindle版 短編小説の感想というものは書くのが難しいものだし、特別なオチやトリックが用意されている作品でもなければテーマなどが明確に設定されていない…

村上春樹の『沈黙』:なぜ人は物語を相対主義的に読解したがるのか?

沈黙 (集団読書テキスト (第2期B112)) 作者:村上 春樹 出版社/メーカー: 全国学校図書館協議会 発売日: 1993/03/01 メディア: 単行本 この作品は学校教育の現場で集団読者や読書感想文の題材として選ばれることも多く、その内容を知っている人は多いだろう。…