THE★映画日記

映画(たまに漫画や文学)の感想と批評、映画を取り巻く風潮についての雑感など。

四つ星

『CURE』

CURE 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video 黒沢清監督のサイコサスペンスもの。この監督の作品はこれ以外には『クリーピー 偽りの隣人』しか見たことないのだが、夫婦関係に問題のある刑事である主人公が心理的に異常な事件を追っているうちに犯人の世…

『マイ・ライフ、マイ・ファミリー』

マイ・ライフ、マイ・ファミリー (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video 派遣社員として働きながら戯曲作家としての成功する機会を待ち望んでいる妹(ローラ・リニー)が主人公で、戯曲研究者としての教職に就いてはいるが作家としての道は諦め…

『シリアスマン』

シリアスマン (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video コーエン兄弟の作品だが、誰も殺されたりはしない(いちおう、事故によって死人は出てくるが)。妻から離婚を持ちかけられたり子供が金を盗んだり隣人とトラブルになったり教え子に成績評価…

『異人たちとの夏』

異人たちとの夏 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video 主人公が出身地である浅草に行ったら死んだ両親と再会して交流するようになり、またそれと同時進行で同じマンションに住むイカレ女と肉体関係を持つようになる話。 80年代という時代はわたしのなか…

『遠い空の向こうに』

遠い空の向こうに (字幕版) 発売日: 2014/01/02 メディア: Prime Video ホーマー・ヒッカムという実在するNASA技術者の自伝を映画化した作品。アメリカの小さな炭鉱町に生まれた主人公(ジェイク・ギレンホール)が、炭鉱夫のボス的存在で頑固で実利的で息子…

『グリーンバーグ(ベン・スティラー 人生は最悪だ!)』

グリーンバーグ (字幕版) 発売日: 2014/01/01 メディア: Prime Video U-NEXTで視聴。 偏屈でヒステリックで超ネガティブで精神病持ちのベン・スティラーと、彼の弟の家で家政婦の仕事をパートタイムでしているグレタ・ガーウィグの、付かず離れずの恋愛関係…

『パンチドランク・ラブ』

パンチドランク ラブ (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video 男性主人公による一目惚れしたヒロインへの強烈な愛情に基づいた恋愛のストーリーと、犯罪のターゲットになり脅迫や暴力沙汰に追われるストーリーとが描かれる。この恋愛プラス暴力…

『パーフェクト・ワールド』

パーフェクト ワールド [DVD] 発売日: 2010/04/21 メディア: DVD 10年振りくらいに再視聴。脱獄犯のケビン・コスナーが人質がてらに子供を連れ回しているうちに心の交流が芽生える話だ。ケビン・コスナーは犯罪者ではあるが悪人ではないし、彼をおうテキサス…

『赤ひげ』

赤ひげ 発売日: 2015/04/22 メディア: Prime Video 『七人の侍』のときも思ったが、いくら黒澤明といえども3時間は長いしダレる。『七人の侍』は冒頭の百姓たちの相談シーンから侍たちの仲間集め、中盤の百姓と侍たちとの交流や戦への備え、そして終盤の戦闘…

『アニー・ホール』

アニー・ホール [DVD] 発売日: 2006/02/01 メディア: DVD ノア・バームバックの監督作品を見るたびに「ウディ・アレンの作品に似ているなあ」と思わされているので、本家のウディ・アレンのなかでもいちばん評価の高い代表作を再視聴。 大人同士の恋愛の話で…

『ヒート』

ヒート (字幕版) 発売日: 2017/03/03 メディア: Prime Video 先日に『フェイク』や『カリートの道』を再視聴したので、同じく90年代の裏社会や犯罪ものでアル・パチーノが出てくる『ヒート』も再視聴した。この作品ではアル・パチーノは犯罪者ではなく刑事で…

『ミストレス・アメリカ』

ミストレス・アメリカ (字幕版) 発売日: 2016/07/20 メディア: Prime Video ノア・バームバックが監督で、グレタ・ガーウィグが準主役的な役柄を演じており、脚本はバームバックとガーウィグの共同制作な作品だ。この組み合わせては、準主役と主役との違いを…

『フェイク』&『カリートの道』

フェイク (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video カリートの道 (字幕版) 発売日: 2014/01/01 メディア: Prime Video 『フェイク』はNetflixで、『カリートの道』はAmazon primeで視聴。どっちも10年以上前にDVDで見たのを再視聴した。どっちも…

『ワンダー 君は太陽』

ワンダー 君は太陽(字幕版) 発売日: 2018/10/26 メディア: Prime Video 生得的な障害により顔に著しい変形障害を負っている子どもの主人公が学校に通い始めて、当初は見た目を理由に同級生からいじめられたりするが、やがて段々と同級生と打ち解けていったり…

『ブラック・クランズマン』

ブラック・クランズマン (字幕版) 発売日: 2019/10/09 メディア: Prime Video Amazon primeで無料になっていたから初視聴。公開当時は見に行くかどうか迷っていたのだが、上映館が少なくて不便だったのと「なんか重い内容だったら嫌だなあ…」という気持ちが…

『ビリーブ 未来への大逆転』

ビリーブ 未来への大逆転(字幕版) 発売日: 2019/08/02 メディア: Prime Video 後にアメリカ初の女性の最高裁判事になったルース・ベイダー・ギンズバーグという人が1970年代に弁護士として行った男女平等裁判を題材にした映画。かなり地味な内容だが、悪くな…

『スキャンダル』:「シスターフッド」ものにしてはバランスが取れた良作

このブログの熱心な読者なら気付かれているかもしれないが、わたしは「シスターフッド」をテーマとした映画が全般的に苦手である。理由は色々とあるが、「シスターフッド」をテーマとしたそれだけで一定層からの評価がある程度は確約されてしまうために映画…

『タクシー運転手:約束は海を越えて』&『1987、ある闘いの真実』

『タクシー運転手:約束は海を越えて』は以前に配信サイトで視聴していたが、私の家のご近所にある駐日韓国文化院で無料の上映会をやっていたのでお邪魔して再視聴した。途中で音が飛んだり映像が乱れたりはしたが、まあ無料なので文句はない。 『1987、ある…

『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』&『X-MEN: フューチャー&パスト 』

X-Men: フューチャー&パスト (字幕版) 発売日: 2014/10/01 メディア: Prime Video X-MEN:ファースト・ジェネレーション (吹替版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video 映画の『X-MEN』シリーズには『ダークナイト』のような重厚さもなければMCU(の…

『ザ・スクエア 思いやりの聖域』:豊かな知識人による豊かな知識人のための「格差社会」映画

ザ・スクエア 思いやりの聖域(字幕版) 発売日: 2018/09/21 メディア: Prime Video Netflixで視聴した。ヨーロッパ映画を見るのは久しぶりだ。Wikipediaを見たところスウェーデンやデンマークなどの北欧で製作された映画のようだが、作中ではスウェーデン語…

『リチャード・ジュエル』:愚直でクソ真面目な人物が主人公の珍しい物語

アトランタオリンピックの会場近くの公園で警備員をしていたリチャード・ジュエルが爆弾を発見して、おかげで客の避難を開始して被害を最小限に抑えることができてリチャードはメディアに取り上げられて一躍地元のヒーローとなったが、地元の新聞が「爆弾事…

『ファミリー・ツリー』&『コネチカットにさよならを』:ダメなおっさんが主人公の文学的作品

ファミリー・ツリー (吹替版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video www.netflix.com 並べて論じるような作品ではないかもしれないが、どちらも妻子を持つ(持っていた)おじさんが主役の、小説を原作として「文学的」な雰囲気の漂う映画だ。 『ファミ…

『ブルー・ジャスミン』:幸福になれないアメリカ人

ブルージャスミン(字幕版) 発売日: 2014/10/24 メディア: Prime Video アメリカ人という人たちは、生活に要求する「最低限」の閾値がとにかく高い。贅沢が当たり前になっているのであり、他人に対する見栄という要素も強い。特に顕著なのが「住」に対する意…

『パラサイト 半地下の家族』:「格差社会」を描くことには失敗していないか?

『ジョーカー』と並んで、最近の「格差社会映画」ブームの代表的な作品だ。 この映画は「寓話」的な作品であると言われることが多い。寓話であるということは、作品のテーマを鮮烈に描くために細部のリアリティはあえて捨象しているということだ。 実際、こ…

『サイド・エフェクト』:後味の良い(!)悪女もの

サイド・エフェクト (字幕版) 発売日: 2014/03/07 メディア: Prime Video 先ほどの記事に続いてソダーバーグ監督の作品を紹介しよう。 私は後味の悪い映画というものが何よりも嫌いで、そのために大半のホラーやブラックコメディ作品が嫌いであるし、また「…

『コンテイジョン』:良質(?)なウイルスパニックもの

コンテイジョン (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video この映画は2011年に劇場で上映されたのを観に行って、あまり期待せずに観に行ったのだが当時はえらく感動してmixiで発表した「2011年年間ベスト映画」のトップ1にもあげた。しかし、当時…